コラム

中古住宅のリフォームで使える補助金|購入前・契約前の確認リスト

この記事の結論

  • 中古住宅のリフォームでも国の省エネ補助は使えます。みらいエコ住宅2026は建築時期で上限が変わり、平成3年以前の住宅は最大100万円、平成4年〜平成28年の住宅は最大80万円です(2026年10月時点)。
  • 国の制度で購入予定者の扱いが明記されているのは、給湯省エネ2026(給湯器交換を条件とした既存住宅の購入)と既存住宅の断熱リフォーム支援事業(所有予定者)です。他の制度は所有者等が申請者のため、所有権を得てから工事の契約をする前提で計画します。
  • 23区の省エネ・リフォーム向けの助成30件のうち24件が、区民であることや区内への住民登録・居住を条件にしています。「居住予定」「取得予定」を認めると明記した制度は3件です(当サイトが23区の公式ページと要綱を確認して集計、2026年10月24日時点)。
  • 購入前に、建築時期(登記事項証明書)、引渡し日と工事の時期、住民登録の時期、業者条件を確認します。

補助金を使うなら、見積もりを頼む時点で使いたい制度と申請の時期を業者に伝えておきます。

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中古住宅で使える主な補助金(2026年10月時点)

国・東京都の制度のうち、中古住宅のリフォームに関係するものを並べます。金額・期間は当サイトが公式ページ・公募要領を確認した値です。

制度 対象の工事 上限 申請・契約の時期 購入者に関する条件
みらいエコ住宅2026事業(国) 開口部・躯体の断熱、エコ住宅設備などの組合せ 平成3年以前築100万円、平成4年〜平成28年築80万円(義務基準相当。次世代省エネ基準相当は50万円・40万円) 予約は遅くとも2026年11月16日まで、交付申請は遅くとも12月31日まで。工事後に登録事業者が申請 所有者等が対象。購入予定者の扱いの記載なし
先進的窓リノベ2026事業(国) 窓・ガラスの断熱改修 1戸100万円 同上 所有者等が対象。購入予定者の扱いの記載なし
給湯省エネ2026事業(国) 高効率給湯器の導入 エコキュート7万円/台など(基本額) 同上 給湯器の交換を条件とする既存住宅の購入も対象
既存住宅の断熱リフォーム支援事業(国・環境省) トータル断熱・居間だけ断熱 戸建120万円、集合住宅15万円 令和8年9月公募は2026年9月7日〜12月11日。交付決定前の契約・着工は対象外 所有予定者(個人)も申請できる
既存住宅における省エネ改修促進事業(東京都) 高断熱窓・ドア、断熱材、高断熱浴槽 窓・ドア戸建200万円など 原則、契約締結前に事前申込 住宅の所有者または管理組合

みらいエコ住宅2026・先進的窓リノベ2026・給湯省エネ2026は、公式サイトに予算に対する申請額の割合が示されています。予算に達すると期限前でも終了するため、各制度の公式ページで最新の状況を確認してください。

終了・受付状況が不明の制度

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅の購入者が実施する場合に上限が加算される制度でしたが、公式サイトに「令和8年度、本事業は実施しません」と掲載されています(2026年10月24日確認)。既存住宅のZEH化改修促進支援事業は公募期間が2026年11月11日までで、10月24日時点の受付状況は当サイトでは確認できていません。

国の制度で購入者が確認すること

国の制度は、建物の建築時期や購入のタイミングで使える範囲が変わります。購入前に確認しておく点を順に説明します。

建築時期で上限が変わる(みらいエコ住宅2026)

みらいエコ住宅2026事業のリフォームは、平成28年12月31日以前に新築されたことが「不動産登記における建物の登記事項証明書」で確認できる住宅が対象です。上限額も新築時期で分かれます。

新築の時期 義務基準相当の工事 次世代省エネ基準相当の工事
平成3年以前 100万円 50万円
平成4年〜平成28年 80万円 40万円

平成29年以降に新築された住宅は、平成11年基準を満たさないことを証明できる場合に限り対象です。同事業のよくあるご質問では、この場合は交付申請にBELS評価書または既存住宅の建設住宅性能評価書が必要とされています。未登記の住宅は、未登記の間は補助の対象になりません。

購入を検討している物件の新築の時期は、登記事項証明書で確認できます。補助の上限が変わるため、物件を比べる段階で確認しておくと予算の見通しが立てやすくなります。

申請できる人と契約の順番

みらいエコ住宅2026と先進的窓リノベ2026の補助対象者は、住宅の所有者等(居住する個人とその家族、賃貸住宅の所有者、賃借人、管理組合など)です。両制度の公式資料には、購入予定者が申請できるかの記載はありません。また、両制度とも工事請負契約の前に着工した工事は対象外です。

このため、購入とリフォームを同時に進める場合は、次の点を業者と事務局に確認してから契約します。

  • 工事請負契約を結ぶ時点で、自分が所有者等に当たるか(引渡し・所有権移転の前に契約してよいか)
  • 業者が住宅省エネ支援事業者として登録しているか。登録業者は公式の事業者検索ページで探せます

買取再販事業者がリフォームして販売する住宅の場合、みらいエコ住宅2026は、買取再販事業者が別の施工業者に工事を発注する場合に限り、買取再販事業者が補助を受けられるとしています。買取再販事業者が自ら工事を行う場合は対象外です。また、リフォームの補助を受けた住宅と同じ住宅について、「新築分譲住宅の購入」などの新築向けの補助は受けられません。

給湯器は「交換を条件とした購入」も対象(給湯省エネ2026)

給湯省エネ2026事業は、リフォームの工事請負契約のほかに、「既存給湯器から対象機器への交換設置を条件とする既存住宅」を不動産売買契約で購入する方法も対象にしています。この場合の着工日は住宅の引渡日です。ただし、未使用の対象機器が設置されているだけの既存住宅の購入は対象になりません。買取再販事業者は補助対象者から除かれています。

断熱リフォーム支援事業は所有予定者も申請できる

既存住宅の断熱リフォーム支援事業(環境省、執行団体:北海道環境財団)は、戸建住宅の申請者に「所有者または所有予定者(個人)」を含めています。令和8年6月公募の公募要領では、所有予定者の条件は次のとおりです。

時点 必要なこと
交付申請時 売買契約(断熱改修工事の契約は含まない)が締結されていること
完了実績報告時 住宅を所有しており、建物登記事項証明書の写しを提出すること
居住予定の場合の完了実績報告時 住宅に居住し、住民票の写しを提出すること

この制度は、交付決定の前に工事の契約・発注をした場合は補助の対象外です。購入後すぐに工事を始めたい場合も、交付決定を待ってから工事の契約をする日程にします。上の条件は6月公募の要領の記載で、受付中の9月公募(2026年9月7日〜12月11日)の要領は当サイトでは取得できていないため、申請前に事業ページで確認してください。

23区の制度は住民登録と所有の時期を確認する

23区の制度は、区内に住んでいることを条件にするものが大半です。当サイトが23区の公式ページと要綱を確認して集計したところ(2026年10月24日時点)、一般の住宅所有者が個人で申請でき、断熱・省エネ設備・給湯器・太陽光・一般リフォームのいずれかを対象にする区の助成30件(融資あっせん、耐震・緑化・アスベスト・ブロック塀だけを対象にする制度、子育て・低所得などの世帯要件がある制度を除く)のうち、24件が対象者の条件に区内への住民登録・居住・区民であることを挙げていました。転居前の区の制度は使えず、転居先の区の制度を使うことになります。

「居住予定」や「取得予定」を対象に含むと明記していたのは次の3件です。

区・制度 対象者の記載
江東区 地球温暖化防止設備導入助成(個人住宅用) 区内に住宅を所有する個人、または区内に住宅を取得しようとする個人、所有者の同意を得た居住者
葛飾区 かつしかエコ助成金(個人住宅用) 区内の自ら居住する(予定を含む)住宅に新規導入する個人
北区 再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成 区内に居住(予定を含む)し自ら使用する住宅に導入する区民(2026年10月24日時点で予算上限により受付終了)

このほか、子育て世帯向けの台東区 子育て世帯住宅リフォーム支援制度も「区内の自己居住(予定)住宅」を対象にしています。融資あっせんの江戸川区 住宅リフォーム資金融資あっせん制度は、工事完了後3か月以内に居住する住宅も対象です。

購入者が見落としやすい区の条件

居住予定を認めない制度では、住民登録や所有の時期が条件になります。

区・制度 条件 購入者への影響
大田区 住宅リフォーム助成事業 令和8年1月1日から助成決定日まで継続して対象住宅に居住する区民で、自己所有住宅 年の途中で購入した人は原則対象外。子育て世帯に限り、本申請までに住民登録すれば可(仮申請時に売買契約書、本申請時に登記事項証明書を提出)
北区 住まい改修支援助成 自ら所有し居住する区民で、申請者と建物の名義人が一致 所有権移転の登記と転入の後に申請する
世田谷区エコ住宅補助金 区内に住民登録があり、工事の契約と支払いをする個人 転入前は申請できない。工事の契約者・支払者と申請者を同じ人にする
練馬区 カーボンニュートラル化設備設置補助金 区内に住民登録し居住する個人(既存住宅) 転入後に申請する
足立区 省エネリフォーム補助金 区に住民登録し、登録住所の既存住宅に居住する個人 転入後に申請する(令和8年度は受付終了)

一方で、23区の制度の多くは着工前の申請が必要です(当サイトが23区の公式ページと要綱を確認して集計、2026年10月24日時点。23区の制度253件のうち契約前の申請が必要な制度が65件、着工前の申請が必要な制度が127件)。「入居前にリフォームを済ませたい」場合、住民登録が条件の制度は工事前に申請できないことがあります。入居前に工事をするか、入居してから工事をするかで使える制度が変わるため、物件の購入前に区の窓口に確認します。

耐震の助成は建築時期と転売目的に注意

23区の木造住宅の耐震化の助成は、昭和56年5月以前、または昭和56年6月〜平成12年5月に建てられた在来軸組工法の住宅を対象にするものが多くあります(当サイトが23区の公式ページと要綱を確認して集計したところ、2026年10月24日時点で一般の住宅向けの耐震関連の制度48件のうち25件が、対象者または対象工事の欄に昭和56年6月〜平成12年5月の建築などの条件を記載)。購入を検討している物件の建築時期で、耐震診断・改修の助成が使えるかが分かります。

練馬区の住宅の耐震改修工事等の助成は不動産業者や建築業者が所有して1年未満の建築物を、江戸川区の戸建住宅耐震改修工事助成は売却等の目的で耐震改修工事を行う場合を、対象から除いています(当サイトが公式ページを確認して記載)。

購入前・契約前のチェックリスト

ここまでの内容を、物件探しから工事の契約までの時期ごとに整理しました。

時期 確認すること 確認先
物件を比べるとき 新築の時期(平成3年以前か、平成28年以前か、平成12年5月以前の木造か) 登記事項証明書、売主・仲介業者
物件を比べるとき 未登記の部分がないか 登記事項証明書
物件を比べるとき 建物の状態(建物状況調査を実施するか) 仲介業者
売買契約の前 転居先の区の制度の対象者の条件(住民登録の時期、所有者本人か、居住予定を認めるか) 区の公式ページ・要綱、区の窓口
売買契約の前 給湯器の交換を購入の条件にするか(給湯省エネ2026の購入の方法を使う場合) 売主、給湯省エネ事業者
売買契約の後 断熱リフォーム支援事業を使う場合、売買契約書を添えて申請し、交付決定を待つ 北海道環境財団
工事の業者を選ぶとき 住宅省エネ支援事業者として登録しているか、区内業者の条件を満たすか 事業者検索ページ、区の要綱
工事の契約の前 自分が所有者等として契約できるか(引渡し・登記の時期)、制度の申請時期(契約前か、着工前か) 業者、各制度の事務局・区の窓口
工事の契約の前 予算の残り(国の制度は申請額の割合、区は執行率) 各制度の公式ページ

建物状況調査は、国土交通省の案内によると、国の登録を受けた講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が行う調査です。宅地建物取引業者は、媒介契約の締結時に建物状況調査を行う者のあっせんに関する事項を書面で示し、重要事項説明で調査結果の概要を説明することになっています。調査の結果は、どこをリフォームするか、補助の対象になる工事を含められるかを考える材料になります。

次にすること

使う制度と申請の順番を確かめたら、次のページで住んでいる区や工事の場所の制度を確認してください。

出典

この記事の数値と制度の条件は、次の公式資料で確認しています。

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